国立大学の二次試験を受験された方々はほんとうにお疲れ様でした。今日は、受験の最終局面を向かえる"あなた"へ書きたいと思います。
"あなた"は、もう合格しているかもしれません、まだ合格できていないかもしれない、あるいは不本意な合格しか得ていないかもしれません。でも、最後の最後までがんばった"あなた"は決して人生をいい加減に生きてはいません。それこそが最もたいせつなことなのです。不合格を繰り返して、つらい思いをしている人にとっては、こう言っても"きれいごと"に聞こえるかもしれません。しかし、これは本当のことだと、私は信じています。
もちろん、私たちは志望校合格を最終目標にすえ、つらいことも耐えてきましたね。もちろん合格すれば、そうした苦労も報われたと思えるでしょう。でも、不合格だったら、そうした苦労はまったく報われないのでしょうか。
それは違います。なぜならばたとえ結果は不合格だったとしても、最後まで頑張ったあなたは、いろいろな事を身につけ、成長しているからです。だからそうした自分を否定だけはしてほしくありません。もちろんうまくいっていない今はこのことを受け入れられないでしょう。頑張ってきた人ほどそうかもしれません。だから今は、無理に受け入れる必要はありません。でもこれから生きていく中で、また自分の情熱を傾けることを見つけ、そのときには静かに振り返ってみてください。必ず理解できる日がくるはずです。
あるいは、スティーブ・ジョブズ氏が言っていたように、不合格が"dot in life"(人生の結び目)になるかもしれないのです。後の人生であのとき合格していれば、"こんなにすばらしい出会いはなかった"ということだってあるのです。残念ながら、人にはそのことがわかりません。
逆に、たとえ今回の受験で幸運にも合格した人にも、人生の試練は必ず訪れます。今回、不合格もしくは希望の学校に行けない人は一足早く、そうした経験をしているだけなのです。
本当に自分を見つめ直した人は、今まで見えなかったものが見えているはずです。例えば、周りの家族はどうでしょう?あなたが不合格したからと言って一方的にせめるでしょうか?恐らく、そっとしておいてくれているのではないでしょうか。こういうつらい時にあなたを支えてくれる人が本当に大切な人だと気づくでしょう。
人生は見える部分と見えない大部分のものからできています。人とは違う、あるいは思い通りにいかない人にはそうした普段見えないものが見えてくるのです。それだけその人は深みをもつようになります。
18歳や19歳はまだまだ大人とは言えません。でもそうした本当の意味での人生経験していくたびに"すてきな大人"、人の痛みや人生のままならなさを知る人になることができるのです。そうそう、2012年のグラミー賞を総なめにしたアデルの"21"というアルバムは失恋曲のオンパレードです。でも本当にすばらしい楽曲です。彼女も失恋がなければあれほどの歴史的な楽曲を創造できなかったはずです。人生、なにが先の人生でつながるのか、私たち人間にはわかりません。
本当にがんばった人に、単なる合格や不合格なんてない、等しくそうした素敵な大人になる階段を一歩のぼったのだと私は伝えたいのです。

